※本記事はあくまで個人的な考察であり、推測です。
今回は"Lover(ラヴァー)"に隠されたメッセージについて考察したいと思います。
"Lover"はテイラー・スウィフトのシングル曲で、同名スタジオ・アルバムのタイトルトラックです。
テイラーと元BFFカーリー・クロスは交際していたのではないかという記事を以前書きました。
mirrorball-taylor.hatenablog.com
"Lover"もカーリーへの愛を綴った曲ではないかと思いますので、その理由を解説します。
歌詞の解説
We could let our friends crash in the living room
友達を招いてリビングルームに泊めることもできる
This is our place, we make the callここは私たちの場所、私たちが決めていいの
→現在は疎遠な二人ですが、一時期はテイラーの家にカーリーの部屋があったほどでした。
そして、カーリーがテイラーの家に勝手に友達を呼んだことが原因で、二人は大ゲンカしたという報道がされていました。
このケンカが仲違いした原因とは思いませんが、この歌詞には「友達を家に呼んでもいいよ、二人で決めればいいよ」という、カーリーへの反省と謝罪の意味が込められているのではないかと思います。
And I’m highly suspicious
疑心暗鬼になっちゃう
That everyone who sees you wants youあなたを見る人みんな、あなたのことを好きなんじゃないかって
→恋人が魅力的すぎて誰かに取られるのではないかという不安は"Gorgeous"や"gold rush"などでも歌われています。どちらもおそらくカーリーについて歌っている曲です。(詳細は別記事参照)この不安は、のちほど紹介するMVの映像でも表現されています。
Can I go where you go?
ずっと側にいてもいい?
Can we always be this close?いつもこんな風に近くにいてもいい?
Forever and ever永遠に、いつまでも
And take me out私を連れ出して
Take me homeあなたの家へ連れて行って
You’re my, my, my, my loverあなたは私の恋人だから
→lover(恋人)はジェンダーニュートラルで、少し古風な言葉です。「愛人」という意味にもなるので日常会話ではあまり使われません。「ガールフレンド(彼女)」と言うことができないので、性別を限定しない「恋人」という言葉を使っているように聞こえます。
Ladies and gentlemen
紳士淑女のみなさん
Will you please stand聞いてください
With every guitar string scar on my handギターの弦で手に出来た全ての傷にかけて宣言します
I take this magnetic force of a man to be my loverこの人を惹きつける磁力を持った男性を私の恋人にします
→「紳士淑女のみなさん、聞いてください」という台詞はまるでプロポーズの前振りのようですが、結婚ではなくあくまで恋人というところが切ないです(おそらく二人が結婚することは難しかったのだと思います)。
もしかしたらテイラーは本当なら大勢の前で「カーリーは私の恋人です!」と宣言したかったのかも知れませんね。そう考えると胸が締め付けられます。
また、テイラーは基本的に歌詞を女性→男性、彼女→彼に変えているようです。(ライブではたまに「彼女(she/her)」と歌っていることも)
MVを考察
①スノードーム
"Lover"MVは、テイラー本人と映像作家のドリュー・カーシュが監督しています。
→スノードームの映像から始まります。これは"You are in love"からの引用です。
And so it goes
そうしているうちに
You two are dancing in a snow globe, 'round and 'round
二人はスノードームの中でくるくると踊る
おそらく"You are in love"もカーリーの曲なので、まるで続編のようです。
mirrorball-taylor.hatenablog.com
→テイラーの髪と服の色はピンク・紫・青でバイセクシュアル・カラー(バイセクシャル・フラッグの色)になっています。
レインボーフラッグだけじゃない!LGBTQの旗特集!|RAINBOW LIFEより
②部屋の色
それぞれテイラーのアルバムを表していると言われています。
- 緑→Taylor Swift
- 黄色→Fearless(このアルバムの成功によってテイラーの人生が良くも悪くも180°変わったので逆さになっている?)
- 紫っぽいピンク→Speak Now
- 赤→Red
- 青→1989
- 屋根裏部屋→Reputation
- 全部の部屋を合わせると→レインボー🌈LGBTQの象徴!
水色の部屋はどのアルバムに当てはまるか自信がないのですが、水槽はガラス・クローゼットを意味しているのだと思います。
※ガラス・クローゼット・・・LGBTQであることが「公然の秘密」「みんな気付いている状態」だが、本人はカミングアウトしていない状態。ちなみに「クローゼット」はカミングアウトしていない状態を指します。
水色の部屋はバスルームになっており、家の中で一番プライベートな場所です。そこでテイラーは恋人(カーリーの化身)と二人でガラス・クローゼットに入ります。(=秘密の恋の始まり)
→テイラーと恋人は黄色い部屋でチェスをしています。ヴィクトリアズ・シークレット・ファッション・ショー2014にテイラーとカーリーが二人で登場した際、ランウェイはチェスボードのような模様をしていました。それをイメージしているのだと思います。ちなみに"King of my heart"も恋人(カーリー)をチェスのキングに例えています。
③なぜか離れて座る二人
→二人は友人たちを招いて、新年を祝うパーティーを開きます。しかし恋人は別の女性と話し、テイラーは寂しそうに一人でギターを弾いています。とても不思議なシーンです。二人は交際しているのに、どうして離れて座っているのでしょう?なぜ恋人は別の女性と話しているのでしょうか?
おそらく、これはテイラーとカーリーの間に実際にあった事なのだと思います…。二人は様々な事情から関係をオープンにできず、親しい友達にも交際を明かしていなかったのではないでしょうか。
なので、パーティーなど人前ではわざと距離を置くことがあった…テイラーはカーリーが友達と話しているだけで、彼女を取られてしまうのではないかと不安になってしまったのだと思います。
④ピンクの部屋
→パーティーが原因で二人は口論になってしまいます。テイラーとカーリーがケンカしたエピソードを彷彿とさせます。この部屋も不思議です。二人の寝室のはずなのに、男性的な持ち物が何ひとつ無いのです。これは、テイラーの恋人は女性ということを表しているのだと思います。
→テイラーと言い争い、恋人は落ち込みます。グリッターが散らばった部屋は"New Year's Day"の歌詞を連想させます。
There's glitter on the floor after the party
パーティーのあとでグリッターが散らばった床
Girls carrying their shoes down in the lobby
女の子たちはロビーに靴を運ぶ
⑤クローゼット
→再び青とピンクでバイセクシュアル・カラーです。はしごと屋根裏部屋への入口が7を逆向きにした形に見えます。『Lover』はテイラーの7枚目のスタジオ・アルバムです。
そしてテイラーは自分と向き合うためにクローゼットを通らなければなりません。
ハンガーにかかる黄色い服たちは"Wildest Dreams"のMVで着ていたドレスを連想させます。"Wildest Dreams"もおそらくカーリーの曲です。
→"Wildest Dreams"MVには、なぜかライオンとキリンが頻繁に登場します。どちらもカーリーを象徴する動物です。カーリーは獅子座(ライオン)。そして彼女はたびたび「自分を動物に例えるとキリン」と発言しています。
"Wildest Dreams"MVは、おそらく「男性とラブストーリーを演じていても、心にはカーリーがいる」というメッセージが込められているのです。
⑥リリックビデオ
→二人は思い出のビデオを見て仲直りします。
前述の通り、屋根裏部屋は『Reputation』を表現しています。『Reputation』が二人にとってどれほど大切なアルバムかが表れているようです。
上映されているのは"Lover"のリリックビデオで使われているのと同じ映像です。これらの映像は、たぶんほとんどカーリーとの思い出のビデオです。
手作りクッキー
→開始してすぐ、テイラーの手作りクッキーが映し出されます。色はピンク・紫・青で、ここでもバイセクシュアル・カラーです。
鷹使い体験
→鷹を腕に乗せるテイラー。これは2018年2月にテイラーがカリフォルニア州ビッグサーの鷹使い体験に参加した際のもの。ビッグサーといえば、テイラーとカーリーが出会って間もない頃ロードトリップに出かけた思い出の地。
下記のテイラーの写真は、ファンがアップしたあとすぐ削除されました。もしかしたらカーリーも同行していたのかも知れません。
Twitter - Taylor Swift Updatesより
鷹使い体験でのテイラー。
2014年ビッグサーでのテイラーとカーリー。
→ビッグサーでカーリーが頭に差していたのとよく似た花が映っています。
屋根の上で
→屋根の上で恋人と過ごすテイラー。こちらの映像は"Call it what you want"のリリックビデオにも使用されていて、女性の足のようなものが映り込んでいます。
mirrorball-taylor.hatenablog.com
また、"King of my heart"には
Up on the roof with a school girl crush
学校で女の子が憧れるような女の子と屋根に上って
という歌詞があります。"King of my heart"もカーリーについての曲です。(詳細は別記事参照)
"Lover"MVでテイラーの恋人役を演じたクリスチャン・オーエンスは、ダンサーとして"King of my heart"でもテイラーの相手役を務めていました。オーエンスは何らかの理由でカーリー役に適任だったのだと思います。
(彼自身の表現力も大きいと思いますが、テイラーがこれまでラブシーンを演じてきたのは全員白人男性で彼はアフリカ系なので、他と違う-女性の恋人がそうであるように-という点でカーリー役にぴったりだったのかも)
線香花火
→テイラーと線香花火。こちらもテイラーとカーリーの思い出の映像に似ています。
⑦ラッキーナンバー3
"Lover"はアルバムの3曲目です。
カーリーの誕生日は8月3日。"Lover"シングルが発売されたのは2019年8月16日で、カーリーの誕生日の13日後でした。(13はテイラーのラッキーナンバー!)
また、この曲には
I’ve loved you 3 summers now, honey
あなたを愛し始めて3度目の夏が来たわ
But I want them all
でも全ての季節を一緒に過ごしたい
という歌詞があります。テイラーは2016年の夏にトム・ヒドルストンと交際していたので、2019年8月時点でジョー・アルウィンと三度も夏を過ごしていません。
カーリーのラッキーナンバーなので3という数字を入れたか、もしくは"Lover"発売3年前の2016年夏、テイラーとカーリーの間に何かがあったのか…(婚約など)
詳細は本人たちにしか分かりません。
解説は以上です。もし本当に全てのヒントを計算して入れたとしたら、テイラーは本当に天才的ですね。また気付いたことがあったら追記したいと思います。
ただ、ここまで愛していたカーリーと別れたとなると、『Folklore』と『Evermore』に悲しい歌が沢山含まれるのも当然のような気がします。その分、様々な素晴らしい曲が聴けるのでファンとしては複雑ですが…。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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